って言われても....それができれば苦労はない! LIONSにもこだわりあり!


by teddy0021
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第90回 【 エマ 】

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第90回は、少女漫画のような雰囲気を持ちながら、
青年漫画誌に連載されている、森薫さんの「エマ」を採り上げました。
エンターブレイン社の月刊コミックビームに
2002年初め~現在まで連載が続いています。
コミックスは現在6巻まで発売されています。
小説化されたり、19世紀末の英国の生活・文化にスポットを当てた副読本も出ているようです。
すばる書店白井店さんから、最近1~4巻まで一度にレンタルし、すごく気に入ったので、
翌週6巻まで一気に買ってしまいました。

物語の始まりをご紹介しましょう。
19世紀、ヴィクトリア朝時代の英国ロンドン、
爵位を持たないまでもジェントリ上流社会に入っている商家ジョーンズ家の長男、
「ウイリアム」が少年時代の家庭教師を務め、
現在は引退してアパートに住む「ケリー」を訪ねるが、
そこでメイドとして働く、清楚で口数の少ない「エマ」に一目惚れをする。
厳格だったケリーの面影もあってやりづらさを感じながらも、
健気に何とかきっかけを持ちたいウイリアム。
一方、普段は言い寄ってくる多くの男性にまったく関心を示さず、
丁寧に断り続けているエマだが、ことウイリアムだけは、
ケリーの家にずっと飾ってある少年時代のウイリアムの写真を見てきたからか、
親しみやすさを感じるようだ。
上流社会の青年とメイドという世間が認めない恋が始まろうとしていた。

初めて「エマ」のコミックスが書店に並んでいるのを見た時、
「メイド」や「眼鏡っ子」といった「萌え」の世界の本なのかな?と思っていました。
しかし、他の方のブログなどで紹介されているのをチラッと見てみると、
どうやらまったく違う趣の作品らしい…
ということで、レンタルの棚に並ぶのを心待ちにしていました。

実際に読んでみると…想像していた以上に素晴らしい!
19世紀の英国の社会、因習、建造物などについて
作者なりのこだわりを持って丁寧にベースを作ったうえで、
エマやウイリアム、そして、関わる人たちの感情を
繊細に描こうとする努力が滲んでいます。
高校生の頃から「メイド」の世界を研究し、同人誌を経て、
この作品へつながる訳ですが、英国に行った事が無かったにも関わらず、
これまた研究して、その世界の禁じられた恋を描こうと言うのは
好きでなければやれないことでしょう。
もちろん、本当の英国通の人から見れば疑問符が付くところは多々あるのでしょうが、
少なくとも私には十分な時代考証に映ります。
そして、さらに細かい部分に対する思い入れも、この作品には感じられます。

物語の前半は、ゆったりした、柔らかい感じで進んでいきます。
その趣を楽しんでいると、徐々に変化が出てきて、上流社会の裏の部分が見えてきたり、
強烈な熱情がほとばしる場面もあったり、と物語の展開にも惹かれていきます。
森さんはまだ新鋭の範疇に入るのかもしれませんが、
登場人物それぞれが、きちんと魅力を持っており、
人となりが分かる描き方、小道具の使い方、各コマの流れなど
描画技術、表現方法もどんどん磨かれてきているように思います。
各話の終りにある1ページの「Sequel」という後日談、
「あとがきマンガ」もコミックスならではでということで、なかなか良いです。

レーティングは、★★★★☆(4.5)としておきますが、満点をつけようか大変迷いました。
今、「起承転結」の「転」の部分でしょうか?
今後の展開に大いに期待しています。
「万博跡の博物館クリスタル・パレスの月夜」「家督継承&婚約披露パーティーの夜」…
実にドキドキさせてくれます。
一方で、素直で純粋な「エレノア」に同情したり.....
英國戀物語」という副題が本当にしっくりくる、
むしろ、女性の方々にお薦めしたい珠玉のロマンスですね。
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by teddy0021 | 2005-11-13 09:46 | ★お薦め?コミック