第56回 【 午後3時の魔法 】
2005年 05月 12日
前回の星里もちる氏の「ルナハイツ」からかなり間が空いてしまいました。
次は、ほのぼのした、暖かいイメージのマンガにしようと考えてましたので、
第56回は垣野内成美さんの「午後3時の魔法」を採り上げました。
1993年から不定期で月間アフタヌーンに連載されたもので、
コミックスは全4巻完結です。
いつものように、すばる書店白井店さんからレンタルして読みました。
普段はあまり人が通らないようなある静かな雑木林の奥に、不思議な洋館があります。
そこは、昔、おじいさんの医者がいたらしい…
でも、今でも女性が治療をしてくれるとの噂が何となく広がっているのです。
悩みをもった人や何かに疲れた人がそこを訪れると、窓かドアが開いて、
やさしい看護婦さんらしい人が招きいれてくれるのです。
そして、午後3時のティータイムに上品な紅茶を楽しみながら、
いろいろ話をするだけで、薬も注射もないのに癒されていくのです。
看護婦さんは羽が生えているように見える「白衣の天使」、
黄色い小鳥がどこからともなく現れたり、
長くいたと思ってもフル時計を見るとまだ午後3時だったり、
疲れてしまっている人を暖かくしてくれる「魔法」がそこにあります…
垣野内成美さんは元アニメーターで現在は漫画家でもあり、
いろいろな仕事をこなされているようですね。
OVA、TVアニメになった「吸血鬼美夕」などで有名です。
イラスト集なども出されているだけはあって、とにかく、絵は大変きれいです!
私がこのマンガを手に取ったのは、まずは「絵」で魅かれたからですね。
全部で17のエピソードがあります。
基本的に1話完結のショートストーリーなのですが、各々つながりはありますね。
冒頭部分は、案内役?の看護婦さん(名前不明:ナイチンゲールみたいな)の
過去に絡んだシーンが必ず出てきますが、
最後まで読むと、なるほどって思えるようになっています。
レーティングは★★★★(4.0)です。
一つ一つのストーリーは、熱くなったり、涙を誘ったりといった感じではないのですが、
不思議な感じで心を暖めてくれます。そういう意味でも佳作だと思います。
洋館、ティータイム、動いているのに3時から進んでいない大時計…いい雰囲気ですね。
こんなやさしい「白衣の天使」…本当にいたらいいなぁ。
おまけ
このマンガを読んでいる最中に、垣野内成美さんの絵でピンと来るものがあったので、
私の保有しているゲームソフトの山を掻き出してみると、
ありました!!
「続・初恋物語~修学旅行」のキャラクターデザインは実は彼女だった!
いわゆる恋愛シュミレーションゲームの類ですね。
ヨメさんにとやかく言われる訳です(汗)