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って言われても....それができれば苦労はない! LIONSにもこだわりあり!


by teddy0021
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第50回 【 生存~LifE~ 】

第50回 【 生存~LifE~ 】_c0020030_2104762.jpg
第50回は、前回の「告白~コンフェッション~」に続いて、
同じ原作「福本伸行」氏、作画「かわぐちかいじ」氏の
コラボレーションによる「生存~LifE~」です。
1999年にヤングマガジンアッパーズに連載され、
コミックスは全3巻完結となっています。
これも、すばる書店白井店さんからレンタルしました。
2002年にNHKの月曜ドラマで4回完結のドラマ(北大路欣也主演)に
なったそうです。評判は良かったみたいですね。

物語はこんな始まりです。
99年4月26日午後2時、長野県のある土木工事現場から白骨死体が掘り出される。
ほぼ同時刻、東京では、大手企業の専務「武田」が病院にて、
亡くした妻「直美」と同じ肝臓癌で余命はもって半年と告げられる。
武田は、直美の本当のつらさ、そして、14年前に家出した娘「佐和子」を
思いながら、死への恐怖と自分が家族を顧みなかったこと後悔を胸に自殺を図ろうとする。
まさにその時、電話が鳴り、家出した佐和子が遺体で発見されたとの知らせ。
殺人の時効は15年、あと半年あまり。武田に残された余命と合致し、
武田は社長レースから降りて退職、残された命を犯人探しに費やすべく旅に出る。
そして、佐和子が子供の頃に一緒に来た湖のほとりで、武田はついに大きなヒントを得る...。

ストーリーの前半は、犯人探しの旅に至る過程と旅中での武田の懸命な姿と悔恨の心情、
ほんのわずかなヒントが少しずつつながって前に進む面白さなどが、
「かわぐちかいじ」氏のリアルな絵で心に入ってきます。
絶望的で孤独な闘いを続ける武田に、ベテラン刑事「村井」だけがあきらめずに味方に...。
しかし、後半は、容疑者までたどりついたかに見えた二人に、
時効が目前まで迫り、ギリギリのカウントダウンがなされる状況下で、
容疑者との息も出来ないような苦しい心理戦が展開されていくのは、
「福本伸行」氏の真骨頂でしょう。かわぐち氏の絵もさらに生きてきますね。

レーティングは★★★★(4.0)です。
半年の間にここまで行き着くという点はちょっと...とも思いますが、
切迫感のある絵と心理戦は読者を引き込んでいく力を十分に持っています。
このコラボレーションは、どういうきっかけで生まれたのか知りませんが、
なかなか成功だと思います。

これを読んでいて、昔、「太陽にほえろ」でヤマさんが出てきて、
時効という壁を如何に乗り越えて犯人を逮捕するか....という話を思い出しました。
by teddy0021 | 2005-04-01 21:04 | ★お薦め?コミック